水玉模様
あたしも…あたしも、今言わなきゃ…!

振られることが解ってるからってビクビクしてたら、何も始まらない。

今言わなきゃ、きっと友達でもいられなくなる…。


「あ…。」

ふいに篠田くんが声をだした。

「え…なに…これ。」


ふわふわ…ふわふわ……風に舞うーーー…。


「風花だ…。」

「“かざばな”?」

「うん。晴れた冬の日に、特定の条件が揃った時だけに見られるらしいんだけど…超ラッキーだよ俺ら!…冬でもないのにありえないし、スゴイよ!」

篠田くんは、少し興奮ぎみだった。

「……。」

ふわふわ…ふわふわ…風に舞う雪ーーー風花。


それは、奇跡的な現象―――…。


「篠田くん…。」

少しでいいから、その奇跡をあたしにーーー…。


「わッ!ちょっと篠田く…!」

突然あたしを抱きしめた篠田くんに、目を白黒させるあたし。




「好きだ…。」

「……。」

それはあまりにも突然で…返す言葉なんか、出てこなかった。

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