水玉模様
「せーぐーちッ!帰ろ♪」

大学生活も板についてきたあたしとあやねは、今もこれからも仲良しなんだと思う。

「ごめん、今日はムリ。」

あたしはあやねに手を合わせた。

「篠田くん?」

「うん。」

「そっかぁ。ラブラブじゃん。」

「やめてよー。」

「照れないの!」

あたしは篠田くんが待ってる門まで、小走りで向かった。


「…。」


いっぱい傷つけた…その分、傷ついた…。


あたしの恋は、まるで水玉模様ーーーそのたくさんの水玉は、頼りなくふわふわと彷徨ってばかりだった。

でも、もう大丈夫。

独りじゃどうしようもなかったあたしだけど、みんなが支えてくれて、救けてくれたから、乗り越えてこれたーーー…。


あたしは、独りじゃなかった。

心の中にはいつもアナタがいて、アナタの心の中にもあたしがいて…。

うまくいかないことだらけだったけど、あの日風花が運んできた奇跡を大切に…あたしの水玉模様が、バラバラになってしまわないように…想いを信じていくことを誓った。


< 355 / 358 >

この作品をシェア

pagetop