水玉模様
「ごめん、タオルかなり黒くなっちゃった。」

「あはは!いいっすよ、洗うの俺じゃないし。」

「だから言ってるんでしょ。」

「てか、俺ちょっと離れていいすか?」

「…え?」

さっきまで笑っていたと思ったら、今度は急に真顔になって言った。

「俺、ホントは嫌だったんすよね。」

「なにが…。」

「家に呼ぶの。」

「……。」

あたしと、距離をとろうとする工藤瞬。

「こんなに近くにいたら、ヤバイから。俺だって男だから、抑えんの…。」

「…ックシュ!」

「あ~っ!ヒトが真剣に話してる時に、フツーくしゃみとかします?」

「だってしょうがないじゃん、雨に濡れたんだから!くしゃみくらい出るでしょ。」

緊張ぎみだった空気が、一気にほぐれた…。

「も~っ。」

「工藤瞬がやらしいこと考えてるからでしょ。」

「男なら当たり前の事なんですぅ!ましてや俺は和奈姉のことが好きなんだから。」


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