水玉模様
あたしに、迷惑とか言う権利はない。

もし篠田くんがあたしの想いを知った時に、迷惑だなんて言われても…はいそうですか、とはならないだろうから。

「やったぁ。」

「きゃっ…!」

工藤瞬は、笑顔であたしを抱き締めてきた。

「ちょっと、何にもしないって言ったじゃん!」

「嬉しい気持ちの現れだから!俺、絶対篠田サンよりイイ男になるもんね~!」

「もーッ!放せ~ッッ!」

じたばたするあたしを、笑いながら捕まえてる工藤瞬を、下から睨んだ。

力じゃ適わない、精一杯の抵抗。

「やっぱ、する~?」

「しないッ‼︎」

「あははは!」

工藤瞬が楽しそうに笑うから、あたしもつられそうになった。


「…?」

ふっと、工藤瞬の腕の力が抜けたーーー…。



< 67 / 358 >

この作品をシェア

pagetop