水玉模様
「今月は瀬口のおかげで楽できたわ~。」

「…。」

何とか化粧と髪を直したあたしだったけど、機嫌までは直らなかったーーー。


残り時間、ケータイをさわりながら暇を潰す。

そんな時間はあっという間で、ぞろぞろとみんなが帰ってきた。

「瀬口ー、顔できたぁ?」

「災難だったよね~。」

何人かが、声をかけてきたけど…篠田くんの姿はなかった。

「ねーねー篠田くんは?犯人が真っ先に瀬口の顔見なきゃだよね~(笑)。」

あやねが教室を見渡しながら言った。

「さぁ…?」

あたしが知るわけないし…。

「篠田のヤツ、1年の女の子から声かけられてたよ!」

クラスの男子が、あやねに答えた。

「マジ?それで?」

あやねは興味津々。

あたしも気になるけど…あやねみたいには、なれない。

「ほっとこうよ、篠田くんなんか。」

冷静でいなければ…。


< 8 / 358 >

この作品をシェア

pagetop