吐磨き《番外編連載中》
次の日。

「え!桐谷さんの机の中、なに、それ!?」

朝、あたしはわざとデカイ声を出した。

「えーっ、それ、タバコじゃん!」
「ヤバヤバ!桐谷さん、タバコやってんの!?」

紗奈子と泰子も乗ってくれて、クラス中がザワザワしだした。

「あたし、タバコなんてやってない!」

スコアッシュは顔を真っ青にして、首を横に激しく振った。

「...じゃあ、なにそれ?
あたしたちが入れたっていいたいの!?」

あたしはガンッとスコアッシュの机を蹴り飛ばした。

「ふざけんじゃねーよ!」

スコアッシュは真っ青になっている。

そこで、泰子が嘘泣きをしだした。

「ぐすっ、ぐすっ...。酷い、桐谷さん」
「大丈夫?泰子っ」

真由美が泰子に駆け寄って、背中をさする。

「お前...、泰子のこと泣かせやがって!」

あたしはスコアッシュの胸ぐらを掴むと、思い切り突き飛ばした。

「帰れよ」
「えっ...」
「泰子のことまで泣かせやがって!
男子にばっか媚び売ってさあ!
...タバコのことはあたしが先生に言っておくから...帰れよ!」

あたしは吹っ飛んだスコアッシュに近寄り、出口に向かって蹴ると、スコアッシュは泣きながら、鞄を掴んで出ていった。
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