誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
───ピンポーン
「ん…」
インターホンの音がした。
眠い目を擦りながら、私は玄関へと向かう。
今、何時……?
───ガチャ
「はい~」
「あ、すみません、隣に越してきた者なんですけど」
その落ち着いた声に、ゆっくり顔を上げてみる。
相手を認識した所で、私は完全に目が覚めた。
……え?!
嘘みたい。
夢みたい。
手の届かない存在だと思ってた彼が。
「な、夏木……くん?」
どうして、こんなところに……?