誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「おかえり〜って、どうしたのその顔!?」
「え、そんなにひどい顔してる……?」
「うん……なんか災難にあってきたみたいな、すごい顔だよ」
紗奈ちゃん、私はもうダメかもしれない。
とりあえず、買ってきた紙パックを渡す。
「……あれ?」
「どうしたの?」
「確か私、三個買ってたはず…」
飲みかけの一個は、ぶつかった時に溢れちゃったのか、ほとんど中身がなくなってたから捨ててきた。
ってことは、あと一個は……
「どうしたんだよ膳、今日体育ないぞ?」
いつの間にか、教室に戻っていた夏木くん。
「ちょっと汚しちゃって、保健室で借りてきた」
だけど何故か、その格好はジャージ姿。
……ねえ、夏木くん、もしかして。
「汚したって、もしかして膳、お前転んだんじゃねえだろうな〜」
「……いや、どっちかっていうと。
転ばれちゃった、かな?」
もしかして、制服が汚れた原因って……私!?