誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「ど、どうしよう、紗奈ちゃん!」
「え?やっぱり何か災難でもあった?!」
災難……といえば、そうなのかもしれない。
「私、今日の占い最下位だった…」
「あんま占いとか当てになんないって」
そ、そうかもしれないけど。
「あっれ、膳くんが紙パックジュースなんて!
なんか可愛いかも♪」
「はんっどうせまた、女子にもらったりしたんだろ?」
「ぶつかっちゃったお詫びにって、もらっただけだよ」
夏木くんの周りは、ほんとに賑やかだ。
紙パックの話題で、あそこまで盛り上がれるなんて…
ん?紙パック?お詫び?
って、あの紙パック……私が買ったやつ!
あげた覚えもないし、むしろ探してたんだけど…
「へえ……その子、絶対膳に落ちたな」
「まさかっそれはないよ」
笑って返す夏木くん、今のは君と同意見。
私は何度も頷いた。