誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
制服を汚しちゃったのは、ほんとに申し訳なかったけど…
紙パックあげたってことで、プラマイゼロ?
でも、私より前の席の夏木くん。
ジャージ姿が視界に入る度に、罪悪感が生まれた。
「まだ落ち込んでる」
昼休みになっても、それは続いていた。
「あのね、まだ愛果は夏木のことあんまり知らないかもしれないけど、
あいつは誰もが認めるいい奴なんだから、安心しな!」
それを素直に受け止めたいのに、出来ない!
だって……あの人、裏があるんだもん。
「ありがとう、紗奈ちゃん…」
「……まあ、アドバイスするなら。
愛果、何気に昨日も今日も、夏木のこと見てたしさ」
心臓が跳ね上がる。
「気になるなら、謝っておいで?」
笑いながら頭を撫でる紗奈ちゃんは、完全に私のお姉ちゃんだ。