誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜



制服を汚しちゃったのは、ほんとに申し訳なかったけど…





紙パックあげたってことで、プラマイゼロ?





でも、私より前の席の夏木くん。





ジャージ姿が視界に入る度に、罪悪感が生まれた。





「まだ落ち込んでる」





昼休みになっても、それは続いていた。





「あのね、まだ愛果は夏木のことあんまり知らないかもしれないけど、


あいつは誰もが認めるいい奴なんだから、安心しな!」





それを素直に受け止めたいのに、出来ない!





だって……あの人、裏があるんだもん。





「ありがとう、紗奈ちゃん…」





「……まあ、アドバイスするなら。


愛果、何気に昨日も今日も、夏木のこと見てたしさ」





心臓が跳ね上がる。





「気になるなら、謝っておいで?」





笑いながら頭を撫でる紗奈ちゃんは、完全に私のお姉ちゃんだ。


< 19 / 42 >

この作品をシェア

pagetop