誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「え、言えなかった!?」
「うん、なんだかお取り込み中でさ…」
紗奈ちゃんは、おいしそうにパンを頬張っていた。
「……ああ、なんとなく察しはつくけど」
相手の女子生徒は、なんだか大人っぽい雰囲気の人だった。
髪の毛はさらっさらのロングヘアーで、モデルさんみたいなスタイルだった。
※愛果は、並外れた視力の持ち主である。
ああいう人も、夏木くんを彼氏にしたいって思うんだなあ。
「あのさ、紗奈ちゃん」
「紗奈でいいよ、何?愛果」
「……夏木くんって、中学校の頃、どんなだったの?」
「んん?急にどうしたのかな〜愛果さん?」
「ち、違くて!……やっぱりいいっ」
「ごめん!ごめんって!お願い、話させて?」
紗奈が拝んできたところで、昼休み終了のチャイムが鳴った。
ただ、興味本位で聞いてみただけなんだけど。
もしかして、紗奈って恋バナ好きなのかな?