誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「じ、じゃあ、また明日……」
「待て。話がある」
マンションに着くと、そのまま夏木くんの部屋に連行された。
「……で、なんで保健室にいたんだよ」
うわあ、すごく不機嫌……
だけど、ちゃんと謝らないと。
「わ、私のせいで制服汚しちゃったから……
ごめんね」
なんて言われるんだろう。
きっと、学校で言えなかった文句の数々が……
「別にいいけど」
あれ、意外とあっさり……
「その代わり……ん」
いきなり背中を向ける夏木くん。
「肩凝った……分かるだろ?」
…………えっ!?
「わ、私が……?」
「当たり前だろ。
ジャージ姿で一日過ごしたんだぞ。
紙パックだけで許されると思うなよ?」
……紙パックはあげたつもり、なかったんだけどなあ。