誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
◆SELECT 3
「絶対やめた方がいいよ!」
うんうん、そうだよね。
「もう、関わらない方がいいんじゃない?」
確かに、ただ利用されてるだけな気もするし……
「えー、いいじゃん。
それって、愛果に気があるからかもしれないし〜♪」
……え!?
私は思わず、スマホを凝視した。
入学してから一週間……私と夏木くんの不思議な関係は、未だに続いていた。
このままでいいのか分からなくなった私は、中学時代の友達に頼った。
『俺、女子に興味無いから』
あんなこと言ってた時点で、私に気があるとかは絶対にない。
この間肩をもんだ時もそうだけど、振り向いた夏木くんとの距離に、ドキドキしたのは私だけだった。
きっと夏木くんには、女子と男子の関わりに差がない。
好きな人自体、出来たことないんだろうなあ…
「なーりかっ」
「ひゃ」
「ぷっ、愛果ってさー。
面白い反応してくれるよね〜♪」
「……もー、紗奈っ」
背後から顔を覗かせて、満足気に笑う紗奈を見ると、気が抜けて一緒に笑ってしまった。