誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「すみません、遅れてしまって!」
入ってきた生徒は、さっき出会ったばかりの男の子。
ウソ……まさか、同じ学年だったなんて。
しかも、同じクラス。
「ったく、何やってんだよ~膳!」
「初日から遅刻するんじゃないって、財部(タカラベ)に言われるぞー!」
「え~それは嫌だな、財部先生」
一気に変わった、教室の空気。
この人が来ただけで……変わった。
すごい……!
「ねね、このクラスメイト、全員はじめまして?」
つん、と背中を突かれて振り向くと、
「あたし、薗畠 紗奈(ソノハタ サナ)。
よろしく♪」
いかにもお嬢様って感じの女の子が、私に微笑みかけていた。