誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「……付き合ってください、かあ」
一世一代の大告白を目撃した私。
その余韻は、部屋に戻っても残っていた。
そりゃあ、そうだよね。
あんな王子様みたいな人、告白されない訳がない!
それにしても、夏木くんはなんて返事したのかな。
女子の想いを無駄に出来ない主義っぽいし、付き合う?
それとも、無駄に出来ないからこそ、しっかりと断る?
どっちにしても……素敵な返事だ。
「あっそうだ!」
思い立ってがばっと起き上がり、私は充電中のスマホを手にした。
紗奈ちゃん、追加したよ〜って送っとこ♪
ついでに中学時代の友達に返信をする。
「高校で変な奴に絡まれたら紹介するんだぞ☆」
「彼氏出来たら教えてよね〜!」
何、この恋愛の話題。
「私に彼氏なんて出来る訳、ない」
ん……なんか眠いかも。