二度目は誠実に
さらに引き寄せられて、私は彼の腕の中に入った。


「あー、やばいな。離れたくなくなる。もう1日中沙弓の顔を見ていたい」


「次の土曜まで我慢して」


「うん、我慢する。だから、キスして」


だから、キス?

なんでそうなるの?


「ねえ、早く。俺、戻らないと要さんに怒られちゃう」


「そんな身勝手な……。もう……」


理不尽な彼の要求に私は応えるしかなかった。

素早く彼に口づけると、また嬉しそうに笑う。


「サンキュ。でも、あまりにも早すぎてよく分かんなかった」


彼はそんなことを言って、今度は彼からキスをしてきた。私のした軽いキスではなく、濃厚なのを。


「た、たくと……ん、もう……」


息が上がりそうになったとき、背中を叩く。止めるように意思表示しないと彼のやりたい放題になってしまう。


「沙弓、顔真っ赤」


「もう恥ずかしいから見ないで」


彼を先に書庫室から出して、私は後から鍵をかけて戻った。

誰かに見つかったら大変だけど、こういう刺激もありかもと口元を緩ませてしまう。

恥ずかしいけどね。


ーおまけ-ENDー
< 100 / 100 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:90

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

このドクターに恋してる
水杜/著

総文字数/91,417

恋愛(純愛)179ページ

表紙を見る
深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
水杜/著

総文字数/86,634

恋愛(純愛)176ページ

表紙を見る
朝の光をあなたと感じて
水杜/著

総文字数/15,064

恋愛(純愛)32ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop