二度目は誠実に
仕事が一つ増えてしまったことに不満を口には出すが、最終的には受け持ってくれる。
少々天の邪鬼なところはあるけど、沙弓の優しさが拓人は好きだった。
「それと、俺がやっていた業務は内田に引き継いだけど、そっちも気にしてもらえるとありがたいんだけど」
「えー、内田くんのことまで見れないですよ」
「でもさー、ちょっと不安じゃない? あいつで、大丈夫だと思う?」
二人の話に出てきた内田とは……名を内田純太(うちだじゅんた)といい、沙弓より二つ年下で、総務部の期待の星になります! と入社した日に宣言はしたものの、空回りして数年が経っているというちょっと頼りにはならない社員である。
「確かに不安ではありますけど、やる気があるのでなんとかなるかと……」
「ほんとにそう思う?」
「いや、そんなこと私に言われても……ちょっ、近いですってば! 離れて……」
身を乗り出した拓人は沙弓の前まで顔を近付けていたので、肩を押される。
「あいつさ、谷のこと好きじゃん? だから、谷がビシッと言ってくれればシャン! となると思うんだよねー。その辺もよろしく」
少々天の邪鬼なところはあるけど、沙弓の優しさが拓人は好きだった。
「それと、俺がやっていた業務は内田に引き継いだけど、そっちも気にしてもらえるとありがたいんだけど」
「えー、内田くんのことまで見れないですよ」
「でもさー、ちょっと不安じゃない? あいつで、大丈夫だと思う?」
二人の話に出てきた内田とは……名を内田純太(うちだじゅんた)といい、沙弓より二つ年下で、総務部の期待の星になります! と入社した日に宣言はしたものの、空回りして数年が経っているというちょっと頼りにはならない社員である。
「確かに不安ではありますけど、やる気があるのでなんとかなるかと……」
「ほんとにそう思う?」
「いや、そんなこと私に言われても……ちょっ、近いですってば! 離れて……」
身を乗り出した拓人は沙弓の前まで顔を近付けていたので、肩を押される。
「あいつさ、谷のこと好きじゃん? だから、谷がビシッと言ってくれればシャン! となると思うんだよねー。その辺もよろしく」