二度目は誠実に

純太の何気ない質問に沙弓はこめかみ辺りをビクッと動かした。

拓人が年上が好きだろうが、年下が好きだろうが、関係はないけれど、新入社員のことを聞いていたからだ。


「いやー、別に年は離れていても近くても気にしないけど、んー、まあ特別気になる子はいないかな」


沙弓は心の中で……嘘つきと呟いた。


「そうなんですか。俺、三上さんが気になるんですよ。ああいうキリッとした子が好きなんですけど」


三上柊花……この前、拓人が誘っていた新入社員だとあのときの光景を沙弓は思い出した。

拓人は沙弓の前で、柊花の名前を出されて内心ギクッとしたけれど、表情には出さないで答える。


「へー、なるほどね。でも、ああいうタイプは内田とは合わなくない？」


「えー、そうですか？ 俺尽くすタイプなんで、何を言われても、はいはいと言うことを聞いてあげたいんですよ。それと、頼りない俺をビシッと叱って欲しいですね」