二度目は誠実に
「本当にね、谷さんがよくやってくれるから俺は助かってるよ。大石くんが人事に行っちゃったときは心細かったけど、もう大丈夫」


「ハハッ、それは良かったですよ。俺は逆にふとしたとき、寂しくなってここに戻ってきたくなってしまうんですけどねー」


「大丈夫ですよ。俺もしっかりやってますから、もう大石さんに心配はかけません」


現在拓人は人事部で忙しく動いているが、ちょっと立ち止まったときに思い出すのが、総務部にいた日々だったりすることが多い。

入社したときからずっといた場所は大事な場所だし、心も落ち着く。だから、呼ばれていなくても、何も用がなくとも、来たくなる場所となっている。

もう拓人に総務部での必要性は感じないが、それでもこんなふうに歓迎してもらえるのは嬉しい。

それに純太が頼もしくなっているのも嬉しい。


「そうか、内田も成長したなー。うん、偉い、偉い」


「内田くんもね、この短期間で見違えるように成長したよね。谷さんが厳しくありながらも優しく見守ってくれていたおかげだよね」


「いえ、私は大したことしてませんから」
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