二度目は誠実に
先週要の弟の結婚式が行われた。要の弟も二人と同じ会社に勤めているから、社内の人間が多く出席をしていて、純太も出席していた。

結婚式をあげた二人ではなく、そこに出席していた要と新入社員の夕美だったのことが話題になっていた。新婦が投げたブーケが夕美に届き、驚く夕美に要がプロポーズをした。

拓人はその一部始終を間近で見て、幸せをおすそ分けしてもらいたいと思った。だけど、幸せは要が頑張った成果である。だから、拓人も刺激を受けて今日のデートを頑張りたいと思った。


「そう、あの滅多に笑わない要さんが本当に幸せそうに笑っていて、ものすごくいいなと思ったんだ。野々宮さんも幸せそうだったし。だから、俺も谷と幸せになりたいなと思ってね」


「私と？」


拓人は思った。自分だったら、どんなプロポーズを誰にしたいだろうと。そのとき、浮かんだのが沙弓だった。

沙弓の幸せそうな笑顔が見れたら、自分も幸せになれる。

そして、沙弓が心から楽しんでくれるデートを計画した。最初は無難な映画を考えたけど、無難すぎで楽しんでもらえる自信がなくなり、沙弓の好きなものを思い出した。
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