二度目は誠実に
「谷が今日のデートを楽しんでくれて、俺のことをもう一度考えてくれて、それが良い結果になったら幸せになれると思ったんだ。単純だけどね」


「そういう単純な幸せ、嫌いじゃないです。美味しいと笑顔で食べてくれるのを見て、私も本当は幸せだなと思いました。つい恥ずかしくて、大げさだとその気持ちを閉ざしてしまったけど、本当は嬉しかったです」


沙弓は幸せだとか嬉しいとか言うのは恥ずかしいけど、真っ直ぐ気持ちを伝えてくれる拓人に誠実に応えたいと思った。

拓人は沙弓の言葉が信じられず、口を半開きにして目を丸くしていた。


「そんなビックリすることですか?」


「ビックリするよ! だって、谷までもが幸せだと思ってくれていたなんてさ思わないから。あー、嬉しすぎる」


「まだ私と付き合いたいと思いますか?」


「もちろん! だって、前よりももっと谷のことが好きだからね! 付き合ってよ!」


拓人は力を入れて、告白した。沙弓は必死な顔の拓人に優しく笑った。
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