二度目は誠実に
私は頷いて、彼と一緒に書庫室へ行った。彼が総務部から借りてきた鍵で開けて、中に入る。


「棚番号は何番ですか?」


「えーっと、15番」


「ありましたよ」


「そんな早くに見つかっちゃうんだ」


入り口にリスト一覧表が貼ってあって、それを活用すると早くに欲しい資料が探せる。

誰かが間違って、使ったものを別の場所に戻さない限り、すぐに探し出せる。分かりやすく整理されているのはありがたいことだけど、どうやら彼にとってはありがたくないようだ。


「拓人ひとりでもすぐに探せたよね」


彼が私をここに連れてきた目的が分かって、小さくため息をつく。


「だってさー、週末一緒にいられなかったから寂しかったんだよー」


「だからって、仕事中だよ」


「沙弓は寂しくなかった?」


先週の土日は彼が就職セミナーで休日出勤だった。その代休で月曜日は休んだから、今日の火曜日は4日ぶりに顔を見ることとなった。
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