そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜
この状況。つらい。つらすぎる。
大都会の人混みから、電車に乗って二時間に一回の田舎の電車に乗っている。人一人いないこの電車、ここはまるで泣くことが許された場所だ。
田舎特有の景色を目に挟みながらポシェットの中の財布に入っていた、輝くこの宝石を取り出した。
これに彼との修復を祈ったら、願うことができたなら、私たちは元のように幸せになれるのかな。
それが彼のしあわせなのかな?
それが彼の願っていることなのかな?
そんなことを思い、財布の中にしまった。田舎へと向かう電車は、ふとした時に悲しくなって孤独を感じる時がある。
「お姉ちゃん…
私…… どうすればいいの?もう分からないよ……」
お姉ちゃんが私の一番安心できる場所でもある。
早くお姉ちゃんに会いたい。会って話がしたい。
ー彼と別れて私は、一人なりたかった。
ーでも一人は悲しかった。
ー一人じゃ何もできなかった。