そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜

終点の駅に着いて電車から降ろすため、スーツケースを持ち上げて、ホームに足がついたところでスーツケースを降ろした。

前に進みながら黄色い線を踏んで遊んでいると、前から声がした。

『光〜!』

私がパッと前を向くと、そこにはお姉ちゃんの次に大好きなお母さんが立っていた。

「お母さ〜ん!会いたかったー!」

スーツケースを捨てて、お母さんに抱きつくと呆れながら、

『24のいい大人が、何抱きついてんのよ。
もう、なにかあったの?』

やっぱりお母さんに隠し事はできないね。すぐにバレちゃう。

「彼氏に…… 彼氏にフラれた…」

不思議と私のこの目から涙が流れることはなかった。

それはもう彼のことを忘れる決意の表れだったのかもしれない。

< 12 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop