そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜
終点の駅に着いて電車から降ろすため、スーツケースを持ち上げて、ホームに足がついたところでスーツケースを降ろした。
前に進みながら黄色い線を踏んで遊んでいると、前から声がした。
『光〜!』
私がパッと前を向くと、そこにはお姉ちゃんの次に大好きなお母さんが立っていた。
「お母さ〜ん!会いたかったー!」
スーツケースを捨てて、お母さんに抱きつくと呆れながら、
『24のいい大人が、何抱きついてんのよ。
もう、なにかあったの?』
やっぱりお母さんに隠し事はできないね。すぐにバレちゃう。
「彼氏に…… 彼氏にフラれた…」
不思議と私のこの目から涙が流れることはなかった。
それはもう彼のことを忘れる決意の表れだったのかもしれない。