そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜

私はこれで一安心して、三日間お世話になった実家を出ることに決めた。

すぐに荷物をまとめて、スーツケースを両手で持ち上げて、足元が見えなくなりながらも階段を降りた。

「じゃ、ありがとね。また落ち着いたら帰ってくるから。」

そう言って外に出ようとしたとき、お母さんも、

『そうね、またいつでもきてちょうだい。次はお姉ちゃんとでも。』

お母さんはフニャっと笑ってこちらを見ていた。私も笑い返して、ドアを閉めた。

久しぶりの都会に私は少し、楽しみな気持ちになって、心が躍っていた。

「よし、長い電車の旅途中にでも、飼うもの決めるか。」

私は一人で呟いてから、次の電車を逃さないようにと、早歩きにした。

< 15 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop