そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜
「私は全然いいけどさ、行っていいの?慧の家族の人たちに迷惑じゃない?」
一応、いきなり家に押しかけて、家族に迷惑をかけないかだけ慧に確認した。
『たぶん大丈夫だよー!状況説明すればね!』
慧からは歓迎の声が帰ってきた。それにしても、慧の救い出してくれるかもしれないって、どう救い出すんだろうなー、と思いながら、はーい、と返事をした。
「じゃあ準備もあるし、準備終わったら、先に出てていいよー。」
私がそう言って、準備を始めると、慧は笑いながら言った。
『いやいや、俺所持品ゼロだから。
先に外出てるね?』
そうだこの人、昨日公園に捨てられてたんだ。そりゃ、なんも持ってないわ。
「はーい、じゃあなるべく早くいくねー。」
ガタン
そのドアが閉まる音がしたと同時に、お姉ちゃんから送られてきた宝石を、おそらく誰も見ないだろう私の机の中にしまっておいた。