そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜
お姉ちゃんが見せちゃダメって、言っていたから、その約束は守る。普通に考えて出会って1日も経たない人に、見せるわけにはいかない。
クローゼットの中から、適当な私服を出す。
いや、金持ちの家は服装とか厳しそう、という自分の勝手なイメージで黒い清楚な服に変えた。似合うのか不安になりながらも、それしかなく、それを着た。
それに合わせるために、黒い蝶の髪飾りを、頭につけた。
紺のバッグに紺のヒールの靴を身につけて、慧の待っている外に出た。
『女子の割には準備早いんだね。』
慧はもっとかかると思ってたらしい。まあ、普通にゆったりやれば、もっとかかる。
「のんびりとするの嫌い。女子は遅いは遅いけど、私は比較的速い方だよ。」