そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜
『そっか。』
慧はそう言って笑うと、携帯を取り出して、電話帳を開いた。おそらく父とみられる人の欄を開き、私に見せた。
『車でしか行ったことないからわからない。光、連れてって!』
目の前でパチンと手を合わせてお願いしてきた。
「いいけど……
ここってお金持ちが住む住宅街だよ?私、こんなとこ行く機会ないからさ、間違ったらごめんね」
一応、間違ったときに文句を言われないように、保険をかけておいた。
『ありがとう!』
偉そうに案内するとは言ったけど、今CMなどでも話題の携帯に聞くやつ。
それに全て聞いていくプランだった。
「ここまで連れてって。」
私がそう言うと携帯はいかにもロボットらしく答えた。
『はい、ではまず次の角を右におまがりください。』