そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜


『そっか。』


慧はそう言って笑うと、携帯を取り出して、電話帳を開いた。おそらく父とみられる人の欄を開き、私に見せた。


『車でしか行ったことないからわからない。光、連れてって!』


目の前でパチンと手を合わせてお願いしてきた。


「いいけど……
ここってお金持ちが住む住宅街だよ?私、こんなとこ行く機会ないからさ、間違ったらごめんね」


一応、間違ったときに文句を言われないように、保険をかけておいた。


『ありがとう!』


偉そうに案内するとは言ったけど、今CMなどでも話題の携帯に聞くやつ。


それに全て聞いていくプランだった。



「ここまで連れてって。」


私がそう言うと携帯はいかにもロボットらしく答えた。


『はい、ではまず次の角を右におまがりください。』





< 42 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop