そんな僕でも愛してほしい。〜拾われた彼らとの運命〜
二人でいつも来ているカフェ。
少しレトロなところが可愛くていい。
「あの〜、先に一人来てると思うんですけど〜…」
私は恐る恐る、店員さんに聞いてみると、店員さんは、
『あっ!えっと、窓際の一番右の席ですね。』
そう伝えられ、私は背伸びしながらその席を確認すると、彼は小さくヒラヒラっと手を振っていた。
私は店員さんにお辞儀して、小走りでそっちへ向かった。何の話かワクワクしながら、彼のいる方へ向かった。
「どうしたの?流星!いきなり話なんて。」
彼が私が二年間付き合っている、
豊橋 流星 (Toyohashi Ryusei)
顔も平均以上で性格もすごく良い人だ。
告白は彼の方からしてきて、私もその頃彼が好きだったので、付き合うことにした。
そんな彼が今日はどこか顔が暗かった。
「どしたの?流星。なんかおかしいよ?」
『あのさ…… 光 』
いつも以上にじれったかった彼だったが、彼の言葉を待つことにした。
『俺と… 俺と
別れてくれないか?』
さっきまで結婚とか思って、浮かれていた私の心はどん底に突き落とされていた。
「な… なんで?私の…… 私の何がダメだったの?」
私は彼に問い詰めても、彼は俯いたまま何も答えることはなかった。彼のその様子に私は、呆れ、苛立ち、
「もういいよ。所詮、私たちはそんなもんだったってことだよね。」
そう言ってカフェのおしゃれな、テーブルの上にバンッという音を立てて、彼の家の鍵をおいて立ち上がった。
私の瞳からも彼の瞳からも不思議と一筋の涙が零れ落ちていた。