ワンコ彼氏に御用心!
私は打ったおでこをおさえながらリクを睨み付ける。

「ごめんね。睨んでる梨緒見て可愛いとか思っちゃだめだよね・・・。」

「ごめんね」を使うところ間違ってると思う。

こいつ、この足枷を見ても罪悪感とか湧かないのね。


「梨緒がいつか、どっか遠くに行っちゃいそうで怖いんだよ。いつか、この家にも来なくなって、いつか、俺を忘れて誰かと恋をして、いつか、俺の知らない誰かと幸せそうに笑ってるって思うと・・・」

私は彼の言葉が終わる前に強くリクを抱きしめた。

「泣かないで。その「いつか」は、絶対に来ないから。」

私はリクの顔を見上げた。
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