<BL>  花と猫と蝶
 その夜 次の日は店は定休日だけど、
春毘は、疲れたらしく、先に寝てしまった。



 リビングへ



「あれ、愛与一人か」


「うん、瑠佳は?」


「寝た」


「そう、それで、お母さんとはどんな話したの?」



少し気になっていた。



「何で母親って分かるんだ。
俺は、愛与に母親ってこと言ってないのに」


「分かるよ。
いつも親の電話に出るときは、丁寧な言葉遣いになるから。

五年もの間、命を見てたら分かる」


「そうか」



命は、ワインボトルとグラスを持って、
俺の隣に座った。



「一緒に飲まないか?」


「うん」



ワインを飲み始めると、命は語りだした。



「話してみて分かったことなんだけど、
俺と愛与の関係を知ってたみたいだ。

だから、無理にでも別れさす為に俺に婚約させたらしい。

俺が、親には逆らえないって知ってて――。

殴ってやろうと思ったけど、

泣き始めたんだよ、鉄火面みたいな人が……。


初めて親に逆らって家を出て、子供まで育てて、心配してたって、貴方の気持ちを分かってなかったって、謝りながら泣いてた。

また来るって、それに――。

一度、瑠佳と一緒に顔を見せに来てほしいって言われた」



いつも、親の話をするときは険しい顔をしていたのに、今は、とっても穏やかで安堵している。


それに、俺と別れたのは嫌いだからではないと分かっただけで、俺も安心していた。


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