二度目の初恋
イベント開始時間10分前にしおりと円がやってきた。
黒のシフォンのワンピースの円に俺はその場で固まった。
と同時に亮太が円を選ばなかった事に感謝すら覚えた。
だけど当の本人はそれどころじゃなかった。
すっぴんで大勢の前に立てないとか場違いだとか
亮太がみてるとか・・・歩き方もロボットみたいだった。
こういうときは気持ちを別の方に向けた方が良いと思った俺は
ギャラリーを野菜や石だと思え。頭の中を楽しいことでいっぱいにしろと
円にだけ聞こえるよう耳元で囁いた。
円はうんうんと頷いていたがなぜか耳だけが異常に赤くなっていた。
俺としおりはステージの陰から見守っていた。
「感情ダダ漏れよ」
しおりが呟く。
「・・・あっ・・・そうですか。でも俺の入る余地はまだないんけどね・・・」
ギャラリー最前列で見ている亮太に視線を移す。
「ねぇ、なんであの子の耳が真っ赤のかわかってる?」
呆れ気味にしおりが尋ねる。
「そりゃ~亮太が最前列でみてるからだろ?」
自信満々に答えるとしおりがは~っと大きな溜息をこぼす。
「なんだよ。他に何があんだよ」
言い返す俺にしおりは
「自分で彼女の耳を赤くさせたのもわかんないなんて・・・バカね」
「え?えー?俺?何で?」
普通のことを言っただけでどこに耳を赤くさせる要素があったのか
さっぱりわからなかった。
しおりはそんな俺に
「入る余地がないって悠長な事言ってられるの?短期間で何とかしたいなら
亮太君の事を考えさせないくらいもっと積極的で大胆な行動でもしないと
時間は無駄に過ぎます。頑張れ!」
しおりが俺の背中をバンと叩くと同時に会場から拍手が沸いた。
そして司会者がしおりの名前を呼ぶ。
「頑張ります」
一礼すると、クスッと笑ってしおりはステージに上がった。
そして入れ違うように円が帰ってくる。
なんて声をかけよう・・・積極的で大胆に・・・しおりのアドバイス通り
ちょっと踏み込んでみよう。そう思っていた時だった。
突然スマホが鳴った。
黒のシフォンのワンピースの円に俺はその場で固まった。
と同時に亮太が円を選ばなかった事に感謝すら覚えた。
だけど当の本人はそれどころじゃなかった。
すっぴんで大勢の前に立てないとか場違いだとか
亮太がみてるとか・・・歩き方もロボットみたいだった。
こういうときは気持ちを別の方に向けた方が良いと思った俺は
ギャラリーを野菜や石だと思え。頭の中を楽しいことでいっぱいにしろと
円にだけ聞こえるよう耳元で囁いた。
円はうんうんと頷いていたがなぜか耳だけが異常に赤くなっていた。
俺としおりはステージの陰から見守っていた。
「感情ダダ漏れよ」
しおりが呟く。
「・・・あっ・・・そうですか。でも俺の入る余地はまだないんけどね・・・」
ギャラリー最前列で見ている亮太に視線を移す。
「ねぇ、なんであの子の耳が真っ赤のかわかってる?」
呆れ気味にしおりが尋ねる。
「そりゃ~亮太が最前列でみてるからだろ?」
自信満々に答えるとしおりがは~っと大きな溜息をこぼす。
「なんだよ。他に何があんだよ」
言い返す俺にしおりは
「自分で彼女の耳を赤くさせたのもわかんないなんて・・・バカね」
「え?えー?俺?何で?」
普通のことを言っただけでどこに耳を赤くさせる要素があったのか
さっぱりわからなかった。
しおりはそんな俺に
「入る余地がないって悠長な事言ってられるの?短期間で何とかしたいなら
亮太君の事を考えさせないくらいもっと積極的で大胆な行動でもしないと
時間は無駄に過ぎます。頑張れ!」
しおりが俺の背中をバンと叩くと同時に会場から拍手が沸いた。
そして司会者がしおりの名前を呼ぶ。
「頑張ります」
一礼すると、クスッと笑ってしおりはステージに上がった。
そして入れ違うように円が帰ってくる。
なんて声をかけよう・・・積極的で大胆に・・・しおりのアドバイス通り
ちょっと踏み込んでみよう。そう思っていた時だった。
突然スマホが鳴った。