二度目の初恋
「―――――ハッ!」
円が寝室で寝ている事に気がついたのは明け方だった。
円は俺が隣で寝ている事にまだ気がついていない様で
スースーと寝息を立てて眠っていた。
このまま何事もなかったようにリビングへ移動できればいいが
もしかすると起きるかもしれないこれは少し様子を見ようと
寝たふりをして間もなくだった。
案の定円は目を覚まし、俺が起きない様にという配慮なのか
音を立てずベッドから降りた。
勿論俺は寝ているふりをしているから円の表情はわからない。
だがベッドから出てしばらく動きがなかった。
何をしてる?
目を開けて確かめたいがここで目を開けたら円がパニックになるのは
安易に想像できたから諦めた。
だがなんとなくだが影を感じた。
もしかして俺ガン見されてる?と思ったが寝室のドアがゆっくりと閉る音が聞こえ
ゆっくりと目を開ける。
「は~~~~」
大きく溜息をついた。
時計は6時を少し過ぎていた。
ドアの向こうで何だか着替えている音が微かに聞こえる。
しばらくすると朝食でも作っているのだろうかカチャカチャと小さな音が聞こえてきた。
もしかして「ご飯ですよ~」って起こしに来てくれるかも?!なんて
淡い期待を抱いたが・・・
呼びに来ることはなく、代わりに玄関のドアの閉る音が聞こえた。