二度目の初恋
俺はゆっくりとからだを起こすと溜息と共にベッドから降りた。

寝室のドアを開けるとできて間もない朝食の匂いがした。

ダイニングテーブルには一人分の朝食と

『着替えにいったん家に帰ります』と書かれたメモが1枚。


「これだけかよ・・・」

昨日はごちそうさまでしたとか眠っていたので起こしちゃいけないので~

みたいな文章を期待していた俺には

この事務的なメモに空しさを感じずにはいられなかった。


昨日は俺に好きな人がいるって言ったら一瞬不安に似た表情で

俺を見たから脈ありかもなんて都合良く解釈しちゃったが

・・・メモを見る限りそれはないなとまたも溜息が出る。

情けないがちょっと自信がなくなってきた・・・が・・・


「あ~~!だめだ。しっかりしろ俺」

両手で頬をパンパンと叩く。

悩んでる暇などない。

契約は1ヶ月。


多少強引でもかまわない。そろそろ本気を出さねば・・・
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