二度目の初恋
そしてその険しい表情の時任さんは私との距離を縮める。

「時任さん?」

名前を呼ぶが返事はなく2人の距離は今にも触れそうな程近くになった。

そして時任さんの顔がゆっくりと近づいてくる。

え?なに?どうして?

ま・・・まさか・・・キスされる?

私は驚きと緊張で目をぎゅっと閉じる。

だが唇に感触はない

あれ?とゆっくりと目を開けると時任さんの唇は私の耳すれすれの所にあった。


「亮太の事はわかった。だけどなんで今にも泣きそうな顔してんだよ。
説得力なさすぎ。家政婦の契約はまだ残ってる。
途中でキャンセルなんかしてやんねーよ・・・チュッ」

耳元で囁かれ最後に耳にキスされた。


時任さんは私から離れると私に背中を向けながら

「仕事に行ってくるよ」といい部屋を出て行った。


私はと言うと触れられた耳に手を当てほんの数十秒前の出来事を思い出し

顔を真っ赤にさせた。


どうして?キャンセルしてくれないの?

これじゃ・・・諦めたくても諦められなくなるよ・・・・

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