二度目の初恋
あれ?どうなってんのこの展開?

お互いに同じ質問してない?

この場合先に答えるのはどっちなんだろう・・・

やっぱり私だよね・・・

「好きな人は・・・います。でもずーっと亮太の事が好きで一生立ち直れない
ぐらいの事を言ってたのに・・・何なんでしょうね私って・・・」

自虐にも近い乾いた笑いが自然に漏れる。

「・・・人を好きになるのに理由も時間も関係ないよ。
必要なのは好きって言う気持ちだから・・・」

時任さんがフォローしてくれる。

でも私からしたら全くフォローになってない。

「そうですか・・・でも私が好きになってしまった人は
他に好きな人がいるからもうフラれたも同然で・・・」

告白する前に告白する本人を目の前に敗北宣言するのは情けないが事実だから仕方がない。

時任さんは複雑な面持ちで私を見ると私との距離を縮める。

「誰?」

「それは・・・」

それはあなたです。なんて自分の口から言えず口ごもる。

すると時任さんは険しい表情で私の両肩に手をかける。

「誰だよ・・・俺には言えないの?知る権利はあるよね」

力強い眼差しで問い詰められる。

もう、覚悟を決めて言うしかないのかもしれない。

私が告白したことで時任さんを困らせてしまうけど、逆にここでフラれたら

契約も解除してもらえるかもしれない。

傷は浅い方がいい・・私は勇気を振り絞り


私は時任さんを指さした。

「え?」

時任さんが固まった。
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