二度目の初恋
それは私が高校を卒業した時に亮太が撮ってくれた写真だった。

この時、初めて亮太に写真を撮ってとねだった時の物で亮太が

私だけをみて写真を撮ってくれたことが凄く嬉しくて、

とびきりの笑顔を見せた。

「元々、亮太に向けた笑顔を俺に向けさせたくて・・・だから
この時もう俺は会ったこともない円を好きになっていたのかもしれない」

ドクンドクン

時任さんがくれる言葉全てに私はドキドキしていた。

これが人を好きになるって事なのかなって・・・

そうおもったら亮太が好きだった気持ちは嘘だったの?


いや違う。あれも立派な恋だった。

秘めた思いだったけどあれは間違いなく私の初恋だった。

じゃあ・・・この新しい恋は?

時任さんのことを考えるだけで胸が高鳴る。

見つめられて心臓が飛び跳ねる。

一緒にいてくれるだけで離れたくないと思う気持ちは


きっと2度目の初恋なのかもしれない。

私は亮太に見せたときの・・・いや、時任さんにとびっきりの笑顔を向ける。

「この笑顔は時任さんの物です」

時任さんの顔がほんのりと赤くなっているのがわかった。

そして私の頬にそっと触れるとぐっと顔が近づく。

え?もしかして・・・これって

キス?

心臓がバクバクと音を立てる。

-チュッ

キスは唇ではなく頬だった。
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