二度目の初恋
「私･･･どうしたらいいんですかね～」

大きくため息をつくと

飲もうと思って持ったビールの入ったグラスを飲まずに置いた。

こんなことを今日が初対面の時任さんに話したところでどうなるわけでもない。

はっきり言えば私一人が１ヶ月堪え忍べばいいことなのだ。

頭じゃわかるけどさ～～


「だったら亮太のことを忘れるために俺が協力してやろうか？」


突然の提案に驚き、顔を上げた。

時任さんは髪の毛をかきあげると私を見てニヤリと笑った。

「協力って？」

まさか俺の恋人になってやるとか

落ち着くまでそういうふりをするって言われるのかと思ったが

「別に俺の恋人になれとかじゃないよ」

と前置きのように言った。

「要は、亮太達が新居に移るまでの間、円が二人と顔を合わせないようにすればいいんだろ？」

「そ･･････そういう･･･ことかな？」

「じゃあ～ここからはビジネスの話」

「ビジネス？」

何だか雲行きが怪しいのではと感じた私は身構えた。

「俺の家政婦やんない？」

「え？」

想定外の話しに目が点になった。
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