二度目の初恋
翌日、仕事場である理人のマンションで部屋の掃除をしていると柴田さんから電話がきた。

いつもはメールだからなにか急用でもあったのかと慌てて電話に出る。

『もしもし小鳥遊さん?言い忘れてたんだけど今日からしばらく理人は
映画の撮影の為いないから食事の用意はしなくていいから』

「わかりました。では明日以降のは…」

『理人もいないので帰ってきたらまたお願いします』

「わかりました」

電話が切れると肩をがくっとおとした。

柴田さんのことは嫌いではないけどいつも切羽詰まった感じが伝わって正直疲れる。

日本を代表するアイドルグループが多く在籍している事務所のしかも特に人気もSEEDのマネージャーとも

なれば責任も重大だし大変なのもわかる。

だって相手はあの理人だもんね。それに昨日の荒れっぷりは酷かったしな…でもちょっと怖い。


さて・・・一通り掃除をしたら今日は早めに帰れるんだ。私は気合いをいれ掃除機をかけ始めた。

リビングの掃除が終わったので寝室の掃除にとりかかった。

遮光カーテンのため寝室を開けると部屋は真っ暗なのですぐにカーテンを開ける。

一人で寝るには大きすぎるベッドは男の人というより男の子らしく寝相の悪さが窺える。

とりあえず今日は天気もいいので布団を干して、シーツも洗おうとベッドに目をやると

メモ紙のような物があった。

拾い上げて見てみると

『まどかへ
   仕事で2日家を空ける。なにかあったら電話かメールくれ
                理人』

裏には理人の電話番号とメルアドか書いてあった。

きっとリビングに置いておくと柴田さんに怪しまれると思ったのだろう。

なにかあったらというのは決して私に対してではないことはわかってるKUMIKOさんの事で

なにか進展があったらという意味だろう。

一応私の中ではもう作戦内容は決まっているがまだその時期じゃない。

しばし待たれ理人よ!
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