二度目の初恋
そして案内された部屋はやっぱり思った通り、前と同じ部屋だった。

テーブルの上に置かれたワインやオードブルもあの時と一緒。

「ねえ。これって…」

後ろにいる聡に声を掛け振り返る。

「もう、あの時みたいにいなくなるなよ。確かに寝ちゃった俺も悪いけどさ」

ゆっくりと私との距離を縮める聡。

「そうだったね。でも綺麗な寝顔だったよ」

ここに来て初めて笑顔になる。

「だったら今度は俺が円の寝顔を見る番だ」

「え?」

一気に鼓動が早くなる。

「といっても寝かせてやるつもりはないけどな」

「え?……ん!……んっ」

驚く間も与えないほどの早さで私はキスされた。

今まで会えなかった時間を取り戻すようにキスはだんだん激しくなる。聡の舌が私の口内をかき乱す。

何度も角度を変えて唇がくっついちゃうんじゃないかって思っちゃうぐらい。時間をかけてキスをしているうちに

徐々に私の体が熱を帯び、荒い息だけが妙に生々しく聞こえてくる。

そして唇が離れると私の耳を甘噛みして舐めた。

全身がゾクゾクっとして「ひゃん」と今まで出したことのない声が出る。恥ずかしくて顔や耳が熱くなってくる。

「耳弱いんだ」

「ええ?」

どう答えたら良いのかわからなくて戸惑う私に聡は更に追い打ちを掛けるように私の耳をもてあそぶ。

今まで感じたことのない自分の体の変化に戸惑いと恥ずかしさがマックスになる。

「は、はずかしい」

精一杯の恥じらいの言葉を出す。

「うん。でももう押さえられない。ずっとずっとこの日が来るのを待ってた。
円にキスしたい。円に触りたい。円を俺だけのものにしたい。
それなのにお前はあんな若造の世話なんかしやがって」

聡が更に激しくキスをしながらベッドへと向かう。

そしてゆっくりと私をベッドに寝かせると覆い被さる。
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