二度目の初恋
「は~~~っ。疲れた~」

買い物から帰ってすぐに洗濯を開始したもののその洗濯機はずっとフル稼働だった。

寝室の奥に大きな山が見えて、なんだあれ?と近づくと

服が山積みになっていた。

どうやったらこうなるのだろう。

しかも冬服や夏服がごちゃごちゃ

もしかして片付けて欲しかったのはこの山だったのかもしれない。

「これじゃ~彼女を部屋には呼べないかも」

私はその場に座り、クリーニングが必要なもの、洗濯機OKなものを分別しながら

時任さんのクローゼットを大々的に掃除洗濯した。

そうしていたらあっという間に時間が過ぎて慌てて

夕飯のしたくをした。

リクエストのカレーと

いつでも食べれるようにとチンして食べれるものを作っておいた。


そして待つこと2時間。

ドアの開く音で時任さんが帰ってきたんがわかり

急いで玄関へと向かった。

「おかえりなさい」

私の声に靴を脱いでいた時任さんが顔を上げ私をじっと見た。

おかえりなさいって言っちゃダメだったかな?と思っていると

時任さんがニヤッと笑った。

「なんかいいね。新婚さんみたい」

と言いながら私の肩をぽんと叩き耳元で「ただいま」と甘い声で囁くと

先にリビングへと行ってしまった。

別に時任さんのことなんとも思ってないけど

男の人に甘い声で囁かれるのは人生初で立ち尽くしてしまった。
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