二度目の初恋
鉢合わせ
「ありがとうございます。でもお仕事が忙しいのに
毎日送ってもらうのは申し訳ないです。
どうしても遅くなったときはタクシ-でもいいんですが・・・」
本来ならご飯の時にお酒を飲んだり、お風呂に入ってくつろぎたいはずなんだけど・・・・・・
そう思うと何だか申し訳ない気持ちになり
電車がある時間帯なら電車でいいと再度言ったが聞き入れてくれなかった。
「俺が送ってった方が万が一亮太と鉢合わせになったとしてもいろいろと便利だろう?」
「便利?」
時任さんはハンドルに両腕を乗せその上に顎を乗せると私の方を見てニヤリと笑った。
「夜遅くに自分の親友の車から幼なじみが降りてきたら
あいつのことだから単純に俺たちがそういう仲だって
思うんじゃねーの?っていうか俺的には鉢合わせすれば良いなとさえ思ってる」
なにか企んでいるかのような不適な笑みに言いしれぬ不安を感じた。
「時任さんの考えていることがよくわかんないんだけど・・・」
「大丈夫だって。俺の頭の中にはアンタの初恋卒業させる段取りはできているから」
自信満々のドヤ顔で見つめられた私はそれ以上何も言えなかった。