二度目の初恋
そう思った途端、さらに心臓がバクバクする。

亮太達を避けるために、時任さんの家政婦を始め、

送ってもらうことにまでになったというのに

家政婦初日にあっちゃうってどうなの？

絶対に神様に見放されてるとしか考えられないよ。

もう最悪。

すると時任さんが安心させるように優しく私の背中とトントンと叩くと抱きしめる腕が緩んだ。

そして手を自分の首に当てると

「もしかして･･･見てた？」と舌をだす。

「え？え？もしかして２人って･･･」

亮太は少し興奮した様子で私と時任さんを交互にみた。

すると時任さんが私の肩をぐいっと抱き寄せ

「お前の結婚式に出れて良かったよ。だって･･･円と運命的な出会いが出来たんだから。な？」

と私に同意を求めた。

違うと言葉が出かかったけど時任さんが『黙って頷け』と言ったことを思い出し

そのまま飲み込むように小さく頷いた。


「聡」

亮太が急に真剣な眼差しで時任さんを見た。

「ん？何？」

「俺にとってお前は親友だ。でも円はお前以上に大切な親友
だからもし円を泣かすような事があったら俺はお前でも許さないから」


初めて聞く私への思いに嬉しく感じたと同時にやっぱり亮太にとって私は

恋愛対象ではなかったのだと思い知らされた。

< 25 / 181 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop