二度目の初恋
「突然こんなことを頼んだことは悪いと思っているけど、これは遊びじゃないんだ。
引き受けた以上責任を持ってやってくれ。それにピンチヒッターとはいえ例外を作っちゃうと
後々面倒が起こるから・・・我慢して」

いつになく真面目な表情の時任さんの言葉に大人げない行動を取ってしまった自分が

情けなくなった。

「・・・・・・わかりました。わがまま言ってすみません」

すると掴んでいた手が離れ、その手が私の頭を優しく撫でる。

「素直でよろしい」

そして私の両肩を掴み回れ右にさせると控え室の戸を開けた。

「おはようございます」

時任さんの元気な声と共に一緒に控え室に入ると中にいるモデルさん達の視線が

一気に集まった。

そして一斉に立ち上がると『時任さ~ん』と黄色い声を上げながら取り囲んだ。

しかし、モデルさん達と並んでもひけを取らないくらい違和感のなさ、

やっぱりイケメンはどこでもモテモテだわね。

私なんか誰の視界にも入ってないわ。


モデルさん達と仲よさそうに話をしている時任さんを少し離れた場所から見ていた。

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