二度目の初恋
本当は結婚式になんか出たくなかった。

大好きだった人の幸せを心から祝福するにはもっと時間が必要だったし

これが夢だったらいいのにと、この期に及んでこんなことを考えている

ダメ女ですよー。

だったら式に出なきゃいいことなんだけど

告白しなかったから亮太は私の気持ちなど知らないし、幼なじみだし

断る理由がないというか、断るなら自分の気持ちを亮太に伝えなきゃいけないし


そんなこといまさら絶対にできない。

これ以上惨めになりたくなかったから

私は亮太への思いを隠し出席することを選んだのだ。

でもこれだけでは終わらなかった。


「それでは新郎の20年来の親友であり幼なじみの小鳥遊円(たかなしまどか)さんに
歌を歌ってもらいます」

あ~~!神様は意地悪だ。

まだ祝福できないし、嬉しくないのに

この2人の為に歌わなきゃいけないのよ~~!

っていうか断る勇気すらなかった

私のバカ~~!
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