二度目の初恋
ずっと好きだった人が自分の目の前で別の人との、のろけ話するのって残酷だな~。

もしかしてわざとそうしてるの?

「亮太は陽子さんにべた惚れなんですよ。この際だから欲しいもの何でも買ってもらっちゃえば?」

あ~~心にもないことを・・・自分で言ってて吐き気がしそうだった。

亮太は鼻の下を伸ばしてデレデレだし、陽子さんからは超ハッピーモード全開で

どんなに綺麗にメイクされて別人になってもこういう経験が一度もない私には

辛いなんてもんじゃない。

早くこの場から逃げ出したい衝動に駆られる。

このままだらだらと会話をし続けなきゃいけないの?

まだ今の私にはこの2人と笑顔で話せる余裕が・・・ない。


ここはスマホを取り出して用事を思い出したと言って逃げるしかない。

そう思いバッグからスマホを取り出した。

すると亮太が「あのさ、今から聡を誘って飲みに行こうかなって思ってるんだけど

円も一緒に行かない?」と誘われた。

気持ちの整理進行中だがなかなか思い通りに進まず

苦しい思いをしてるというのになんという無責任というか・・・

本人はそんな私の気持ちを知ってんのか知らないのか全くわからない態度で接してくる。

はっきり言いたい。

行けるわけないでしょ~~~!と・・・

でも声には出せないから心の中で叫びながら断る理由を考えていた。

私はスマホの画面を見ながらあたかも予定があったかの様に

残念そうな表情を浮かべ「ごめー」んなさいと言おうとしたのが

偶然なのか必然だったのか私の目の前に救世主。いや時任さんが現われた。
< 51 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop