二度目の初恋
「ごめんなさい!」

「ん?」

「まだ未練があるんですよね?それなのに傷口をえぐるみたいにチラチラとフォトフレーム
ばかり見て…」

あ~!自分が同じ立場なら絶対嫌だよ。

そんなの一番わかってるはずだったのに…好奇心丸出しで穴があったらはいりたい。

私は時任さんの顔を直視出来ず俯く。

「え?何言ってんの?未練って何?よくわかんないんだけど・・・」

思いもよらぬ返事に、自分の耳を疑うように顔を上げた。

「え?だって…フォトフレームが伏せてあるって…しおりさんとの事がまだ吹っ切れなくて
現実逃避してるんじゃ…」

すると時任さんは口に手を当て目をパチパチさせるとクスクス笑いだした。

「…あ~~、そっちね~・・・しおりから聞いたわけね」

納得した様子で頷いた。

「え?」

「いやいやいや、俺的には一応気を遣ったつもりだったんだけどね~、」

それは本当に想定外の言葉だった。

気を遣うと言うのがどういうことなのか私には全くわからない。

すると時任さんは亮太を指さした。

「亮太への気持ちを断ち切りたくてここにいるだろう?だから気をつかって
伏せてたんだけど…」

「え?」

目が点になった。
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