二度目の初恋

救世主現る？！

「小鳥遊様素敵な歌ありがとうございました」

私は亮太達の方をちらりとみて会釈すると,そそくさと自分の席に戻った。

はっきり言って自分がどんな顔をしてたのか全くわからない。

亮太の方を見たけど見たのは首から下。

とても顔を見る余裕なんかなかった。

ショックだったのは私の歌に新婦が感動したのかハンカチを目に当てていたことだ。


泣きたいのは私よ。

ネットだかスカイプだか何だか知らないけど

そんなので亮太の何がわかるのよ。

私なんか亮太と一緒にお風呂に入ったことだってあるんだから！

もちろん幼稚園の時だけど･･･

亮太との幼なじみ歴なめんなよ～～！


「アンタ、目が笑ってなかったけど、あいつのこと好きだったの？」

左耳から聞き捨てならない言葉が聞こえて声のする方を見ると

ビールの入ったグラスを持ちながらニヤリと男が笑っていた。

「え？な、何をいってるんですか？」

図星だけどこの状況で「はい、そうです」なんて馬鹿正直に言えるわけなどなく

否定するが男の目は「嘘つくなよ」と言っている様だった。