二度目の初恋
夕飯の準備が出来、時任さんを呼ぶと「お腹減った~」と言いながら椅子に座る。

そして、一緒に夕飯を食べ始めた。

美味しい美味しいと言いながら御飯を食べる姿は

いつもと変わらない光景だ。

もう考えるのはよそう。その方があれこれ考えなくても良いのだから・・・

私はそう思いながらロールキャベツを食べようと口を開けたときだった。


「何で今朝、俺を起こしてくれなかったの?」

時任さんはちらりと私を見ると口を大きく開けてロールキャベツを食べた。


私の口は・・・開いたまま固まった。


え?今それ言うの?

いやいやそうじゃない。時任さんはちゃんとおぼえていたんだ。

ってことは時任さんが寝ぼけて寝室にはいったのでなく

自分の意思で私の隣で寝たって事になる。

なんで?

「リビングのソファーで寝るって言ってたのに
朝起きたら横で寝てるからびっくりして起こす余裕なんてありませんでした」

私は視線を外しながら早口で返えす。顔も真っ赤だ。

「あっ、男に免疫ないから添い寝なんて初めてだった?」

しまったと口に手を当てる仕草がわざとらしく、これは絶対に私を

からかっているんだとわかった。

でも本当の事だし、言い返せない私は口を尖らせながら下を向いた。
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