二度目の初恋
そして連れてこられた場所に私は目が点になった。

時任さんは「ちょっと待ってて」というとフロントへと向かう。

そう、私達がやってきたのはホテルだ。

しかもここは世界的に有名なセレブ御用達のホテルだ。

しかし、なぜ?

食事ならそのままレストランに行けば良いのになぜフロントに?

っていうかこのホテルと私の服装はかなり場違いでドレスコードでアウトでしょ。

時任さんが何を考えているのかさっぱりわからず私はフロントにいる時任さんの

背中をじっと見つめた。


「お待たせ」

時任さんはすぐに戻ってきた。

どこに行くの?何をするの?聞きたいことはたくさんあるのに

デートも初めてなら有名ホテルも初めてで緊張しすぎて

質問が出来ない。

時任さんは私をエレベーターまで誘導し、上りのボタンを押す。

「もしかして緊張してる?」

「・・・とっても」と言うだけで精一杯だ。

時任さんは何だか楽しそうにクスッと笑ったが

笑ってる場合じゃないのだ。

エレベーターの扉が開くと私達以外にも何人か乗った。

みんな身なりの良い服装で居心地の悪さを感じ、ゆっくりと後ろに下がる。

すると時任さんがさりげなく私の手を握った。

15階で扉が開くと時任さんは私を守るように降りた。

でも・・・ここどう見ても客室だよね。

一気に緊張が走る。

時任さんの言う恋愛ごっこというのはまさか・・・

男と女がホテルの客室に行くことがどういう意味か恋愛に疎い私でも

わかった。

まさか!恋愛のプロセスをワープさせていきなりベッドインですか?!
< 75 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop